高脂血症の薬

1 主にコレステロールを下げる薬

1)スタチン系

  肝臓に働いて、肝臓に血液中のLDL(悪玉)コレステロールを取り込ませて、血液中のLDL(悪玉)コレステロールを下げます。動脈硬化を確実に予防あるいは治療する効果があります。副作用としては、まれに(1%以下)筋肉の障害が起きることがありますので、定期的に筋肉の項目を含めた血液検査を受けてください。なお、脱力、筋肉痛、赤い尿などが出現したら教えてください。

プラバスタチン(商品名メバロチン)、シンバスタチン(商品名リポバス)、フルバスタチン(商品名ローコール)、アトルバスタチン(商品名リピトール)などが使用されています。

2)コレスチラミン、コレスチミド

この薬自体は体の中に入らず胃腸を通って便中に出ていきます。腸の中を通るときに、食物中のコレステロールが体内に吸収される量を減らしたり、また、体の中のコレステロールを便中に引きずり出したりします。動脈硬化を確実に予防あるいは治療する効果があります。粉や錠剤の量が多く飲みにくい薬ですが、便秘傾向になる(10%程度)以外にはほとんど副作用のない薬です。商品名はクエストラン、コレバインです。

3)プロブコール

プロブコールはLDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールの両方を下げてしまいますが、LDLコレステロールの酸化を防ぐ効果もあり、心筋梗塞後の再発予防効果があります。商品名はシンレスタール、ロレルコなどです。副作用として、下痢などの胃腸障害や発疹など(1%程度)がありますが、きわめてまれに(0.1%以下)心電図の異常や不整脈が起きることもあります。

 

2主に中性脂肪(トリグリセライド)を下げる薬

  中性脂肪(トリグリセライド)は特に総コレステロールが高い場合やHDLコレステロールが低い場合には動脈硬化を促進させるので、高すぎる場合には治療の対象となります。

1)フィブラート系

  肝臓に働いて、中性脂肪(トリグリセライド)などの合成を減らし、また、中性脂肪分解酵素を増加させるなどして、血液中の中性脂肪を低下させます。また、LDL(悪玉)コレステロール低下作用やHDL(善玉)コレステロール増加作用もあわせ持っています。実際に、動脈硬化を予防する効果があります。副作用としては、まれに(1%程度)筋肉の障害が起きることがありますので、定期的に筋肉の項目を含めた血液検査を受けてください。また、脱力、筋肉痛、赤い尿などが出現したら教えてください。なお、一時的に肝臓の血液検査が異常値になることがありますが、多くの場合、服用を続けるうちに正常化します。商品名はベザトールSR、リパンチルなどです。

2)ニコチン酸

大量に服用すると、中性脂肪(トリグリセライド)やLDL(悪玉)コレステロールを低下させ、HDL(善玉)コレステロールを増加させます。副作用としてホテリ感が出現することがあります。

3)EPA

  イワシなどの青魚に含まれる油です。軽度の中性脂肪低下作用があります。副作用として、きわめてまれに(0.1%以下)出血しやすくなることがあるとされています。

 

食事療法・運動療法を併用すると少量の薬で効果が出ます!

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