風邪にご用心!!


  冬の到来とともにカゼ(風邪)の季節になりました。広い意味でカゼには「普通感冒」、「インフルエンザ」などが含まれ、また、胃腸症状が出現する「胃腸カゼ」などもありますが、いずれも基本的にはウイルスの感染によるものです。インフルエンザウイルスなど多くのカゼの原因ウイルスは低温低湿度の環境を好むので、冬に流行します。

普通感冒
 
  普通感冒とは俗に言う「鼻カゼ」「のどカゼ」のことで、潜伏期間はおよそ5-6日。ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルスなどのウイルスが原因です。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛みなどの鼻やのどの症状が著明に認められます。鼻水は初めさらさらしていますが、しだいに粘りけのあるものに変化していきます。発熱はあっても微熱程度で、頭痛や全身倦怠感などの全身症状は軽いのが普通ですが、症状が激しくインフルエンザとの鑑別が困難な場合もあります。

インフルエンザ
 
  インフルエンザは毎冬12月から3月頃に流行する病気で、インフルエンザウイルスが主に気管支の急性炎症をもたらす病気です。普通感冒に比べて症状が激烈で、1-2日の潜伏期の後、38-39度の高熱が出て、悪寒や頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状が強く現れます。鼻やのどなどの上気道の症状を伴うこともあります。ふつう、高熱は3-4日目に低下し初め、それと共に全身症状も軽快し、7-10日程度で治癒します。ただし、お年寄りや抵抗力の弱い方などは細菌の二次感染によって肺炎などを併発して重症化することもありますから注意が必要です。この点から、欧米ではお年寄りなどに対し、積極的にインフルエンザの予防接種を行なっています。

カゼの予防
 
  さまざまなカゼのウイルスは咳などによる飛沫感染のほか、手から手などの接触感染でも伝染します。外出から帰ったら、まず、石鹸で手を洗い、うがいをしてください。室内を適当な温度(20℃前後)と湿度(40-50%)に保つと、鼻やのどの粘膜のウイルスに対する抵抗力が強くなります。過労や睡眠不足、栄養不足などがあると、ウイルスに対する抵抗力が低下しますから注意しましょう。

カゼをひいたら
 
  カゼをあなどると細菌感染などを合併し肺炎などの重い病気になることもありますので、しっかり治療することが必要です。カゼのさまざまなウイルスを排除するには、体の防御機構を高めるようにします。まず、安静にして、十分に休養と栄養、睡眠を取るようにしてください。部屋を温かくして、乾燥しないよう湿度にも気を配ってください。汗をかいたときは体を良く拭いて冷えないようにします。普通感冒にもインフルエンザにも潜伏期がありますから、ウイルスの繁殖の場であるのどのうがいをたびたび行うことで、ウイルスの増殖を防ぎ、カゼの悪化を防ぎましょう。また、小児やお年寄り、慢性の病気がある方、また、症状が強い方などは特に早めに医療機関を受診し、正確な診断のもとで適切な治療を受けましょう。
  カゼをひいたときは栄養補給と脱水予防のための水分補給が必要です。また、消化しやすく、栄養価の高い食事を心がけてください。温かく栄養のあるスープなどをとるようにします。水分は水やお茶、牛乳、ジュースなどご本人が飲みたいと思うもので結構です。ただ、あまり冷たい飲み物を大量にとることは避けましょう。このほか、ビタミンを多く含む野菜や果物は体の代謝を円滑にし、カゼからの回復を促進させると考えられます。
  カゼで熱があるときは入浴を避けましょう。発熱がなければ、入浴後体を冷やさないよう暖房などに気を使えば、お風呂に入ってもかまいません。

カゼの薬

  現在軽いカゼに対しては、ウイルス自体を排除する薬ではなく、熱、咳などのそれぞれの症状を押さえる薬で治療するのが一般的です。市販の薬はさまざまな症状に対する薬を少しづつ混ぜ合わせた「総合感冒薬」が多いのですが、当院ではそれぞれの患者さんの症状に応じ必要な薬を適切な量処方します。また、わが国でも98年からA型インフルエンザに対してウイルスの増殖を防ぐ働きを持つアマンタジンという薬が使えるようになりました。インフルエンザのごく初期に使用すると病状を軽くすることができます。ただ、不眠、食欲低下などの副作用がありますので慎重に処方されなければなりません。

カゼとまぎらわしい病気
 
  溶血性連鎖球菌などによる急性咽頭炎、急性扁桃炎、また、さまざまな細菌による急性気管支炎や肺炎などもカゼとよく似た症状が出ますが、これらの病気は原因がウイルスではなく細菌ですので、抗生物質など細菌に対して効力を持つ薬で治療しなければなりません。カゼの治療とはかなり異なりますので、適切な診断が不可欠です。

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