ビタミンEと心臓病 (99年7月)


  米国医師会が発行する内科学紀要(Archives of Internal Medicine)6月28日号に、ビタミンEと虚血性心疾患に関する総説が掲載されましたので、抄録の一部を翻訳しました。



  現在までに、様々な研究によりビタミンEの抗酸化作用が虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の予防に有用かどうかが調べられてきました。試験管内の実験などではビタミンEがLDLコレステロールの酸化を防ぎ、動脈壁への沈着を防止することが分かっています。また、様々な調査からビタミンEの摂取量や血液中のビタミンE濃度が虚血性心疾患の発生と関係していることが示されています。また、ビタミンEの投与により狭心症や心筋梗塞の発症が減少するという報告もあります。しかし、ビタミンE投与には効果がないという報告もあります。このようにビタミンE投与に関して評価が一定していない現時点においては、ビタミンEをまず食物から摂取することがすすめられます。虚血性心疾患のリスクが高い人や既にこれらの疾患を発症している人には、薬物としてビタミンEを投与することを考慮してもよいと考えられます。しかし、この際には長期投与による副作用の可能性なども考慮に入れなければなりません。

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