カルシウムで大腸ポリープの再発防止   (1999年2月)





   世界中でもっとも権威ある医学学術誌の一つであるNew England Journal ofMedicine の99年1月14日号に大腸ポリープの再発防止に関するカルシウムの効果が報告されました。



   全米から6か所の医療機関が参加した研究です。3か月以内に大腸ポリープを切除した患者さん約630人を、カルシウムの錠剤を服用するグループと服用しないグループに二分し、45か月後にもう一度大腸ファイバースコープ(内視鏡)による検査を行いました。その結果、カルシウムを服用したグループでは31%に大腸ポリープの再発が見つかりましたが、服用しなかったグループでは38%に再発が見つかったとのことです。差はあまり大きくありませんが、偶然ではない明らかな差であると結論付けられています。

   また、1月21日号では、88,757人の米国人看護婦(34-59才)を16年間追跡調査した結果、食物繊維を多く摂取しても大腸ガンや大腸ポリープの発生を減らすことができないことが判明したとの論文が掲載されています。今までは、一般的に、食物繊維の摂取により大腸ガンや大腸ポリープが減ると思われていたようですが、必ずしもそうではないようです。なお、この研究は対象が女性に限られているため、男性では食物繊維がどのように作用するかは不明といわざるを得ません。



   なお、これら二つの研究はどちらも米国で行われたものであり、食生活が異なるわが国では、必ずしもそのまま当てはめることはできないかも知れません。

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