果物と野菜の効果 1998年12月

  果物や野菜にはビタミン、食物繊維のほか抗酸化作用を持つビタミンEやカロチンなどが含まれます。化学物質としてのビタミンEなどの抗酸化作用についてはよく研究されていますが、実際の果物、野菜の抗酸化効果についてはあまり研究がありませんでした。このたび、米国の研究チームが果物や野菜の抗酸化作用について、米国心臓病学会の著明な機関誌の一つ"Circulation"に論文を発表しましたので、ご紹介します。



  123人の健康者を1)脂肪が多く果物や野菜が少ない食事、2)脂肪が少なく果物や野菜が多い食事、3)脂肪も果物や野菜も多い食事のいずれかを摂取する三つのグループに分け、11週間これらの食事を食べてもらい、その後、体内の酸化の程度を調べました。その結果、2)や3)の果物・野菜を多く摂取したグループで酸化量が低下していました。また、血液中の抗酸化活性は2)や3)の果物・野菜を多く摂取したグループで高値を示しました。著者らは、これらの結果は果物や野菜の摂取が体内の抗酸化活性を上昇させるという仮設を証明するものであり、これらの食事により、動脈硬化による心血管疾患を予防できる可能性を示唆するものであると考えています。

 

成人病教室
健康倶楽部