動脈硬化と気の持ちよう

1997年9月

 動脈硬化の危険因子として、高血圧、高脂血症、喫煙などが知られていますが、感情などの精神的な要素が動脈硬化にどのように影響するかはあまり知られていません。

 Everson らは、アメリカ心臓病学会の機関誌 Atherosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology 8月号にフィンランドでの興味ある研究結果を報告しました。942人の男性を4年間追跡調査した結果、様々な理由で将来への希望を失った人や不安を抱く人は、超音波断層法で検査すると頸動脈の動脈硬化が2割程度早く進行しており、脳梗塞などになりやすくなるとのことです。この動脈硬化進行におよぼす希望の喪失の影響は、タバコを1日に1箱吸うのと同程度の深刻なものとのことです。

 昔から、「病は気から」といわれますが、動脈硬化に関しても、希望を失わず積極的な予防策を講じることが重要と考えられます。


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