減塩の降圧効果 97年10月
 
 
 
 塩分の取りすぎが血圧を上昇させることや高血圧の治療において減塩が重要であることは良く知られています。しかしながら、現在まで高齢者が塩分制限することで血圧がどの程度低下するかについてはあまり調べられていませんでした。ロンドンの聖ジョージ大学医学部内科の研究者がこの点につきイギリスの医学雑誌ランセット9月20日号に研究結果を報告しています。


 60-78才の対象者(正常血圧者18名、高血圧者29名)47名をイギリスでの平均である1日10グラムの食塩摂取で維持した場合、平均の血圧は163/90 mmHgでしたが、1日5グラムの食塩摂取を4週間続けると156/87 mmHgに血圧が低下し、再び10グラムに戻した場合血圧が再上昇しました。この減塩による血圧低下は高血圧者だけでなく正常血圧者でも同程度に認められました。この減塩による血圧の低下は、サイアザイド系の降圧利尿薬を投与したときに得られる血圧降下と同程度のものとのことです。


 現在わが国では1日平均約13グラムの食塩が摂取されています。塩分の多い漬物、魚の干物、ハム・ソーセージ・かまぼこなどの加工食品、汁物などをひかえ減塩につとめましょう。そうすれば薬をのまなくても血圧を下げることができます。
 
 
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