食物繊維で血糖値が低下 (2000年5月)

  糖尿病の食事療法は家族の誰もが取り入れるとよい健康食であることはよく知られています。糖尿病食では動物性脂肪などに含まれる飽和脂肪酸を摂りすぎないようにし、そのかわりに糖質(炭水化物)や野菜などを多く摂ることが推奨されています。今回、米国のテキサス サウスウエスタン大学医学部から、食物繊維が糖尿病患者の血糖値やコレステロール値にどのような影響を及ぼすかを研究した結果が報告されました。(New England Journal of  Medicine 2000年5月11日号) 


 研究では13人の2型糖尿病患者に6週間ずつ通常の糖尿病食(食物繊維を1日あたり24グラム含む)と食物繊維を1日あたり50グラム含む食物繊維に富む糖尿病食を食べてもらい、それぞれの期間の最後に採血をしました。2種類の食事はどちらもカロリーは同じで、3大栄養素も糖質(炭水化物)55%、タンパク質15%、脂肪30%と同じ比率にしてあります。食事はすべて大学病院で用意し、1日の内1食は病院で、他の2食は各自の自宅で食べたとのことです。

研究の結果、どちらの食事でも体重は全く変わらなかったが、空腹時血糖(平均142と130)、食後血糖、1日尿糖、血中のインスリン値、ヘモグロビンA1C(7.2と6.9)は食物繊維を多く含む食事の方が低い値を示したとのことです。また、総コレステロール(210と196)、LDLコレステロール(142と133)、中性脂肪(205と184)も食物繊維を多く含む食事を摂っている期間の方が低値を示しました。


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