危険因子の改善で心臓病が減少 -WHOの研究 - 2000年3月

  1983年からWHO(世界保健機構)によって行われていた、様々な危険因子と心筋梗塞の発症や心臓死との関係に関する調査結果が報告されました。(The Lancet 26 February 2000)



  全世界の21カ国が参加した調査ですが、アジアからは中国だけが参加しており、ほとんどがヨーロッパの国々です。35-64歳の10万人以上の対象者を平均10年間追跡調査した大変大規模な研究です。この間、男性の喫煙率はほとんどの国で低下しましたが、女性に関しては低下した国、増加した国など様々でした。血圧、総コレステロールは低下し、それに伴い心筋梗塞や心臓死の発生は減少しました。これらの危険因子と心臓病発症の関係を調べると、危険因子の改善から4年程度後に心臓病の発生が低下することがわかりました。また、危険因子の改善度が大きければ、心臓病発症の減少率も大きいことがわかりました。
  当たり前のような結果ですが、生活や文化、習慣の異なる世界中の様々な国々で、これらの危険因子改善がもたらす好影響が共通して確認されたことには大きな意義があると考えられます。

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