現在もっともよく使用されているコレステロール低下薬であるスタチン系の薬を服用すると、骨折しにくくなるらしいということが分かりました。
一つの研究はイギリスで行われたもので、50歳以上の約9万人を対象としたものです。スタチン系薬剤の服用者は全身あらゆるところの骨折の頻度がこの薬を服用していない人に比べ55%に低下していたとのことです。特に大腿骨頸部や脊椎など骨粗鬆症による骨折が起こりやすい場所では、骨折の頻度が20%以下にまで低下していたとのことです。
もう一つの研究はアメリカのニュージャージー州の住民を対象にしたものです。65歳以上の約6000人を対象に調査したところ、スタチン系の薬物を服用している人は大腿骨頸部の骨折頻度が29%にまで低下していたとのことです。どちらの調査でも、スタチン系以外のコレステロール低下薬には骨折を減らす作用は認められず、スタチン系の薬の効果はコレステロール低下作用の結果とは考えられないとのことです。