カフェイン、喫煙で流産が増加 (2001年1月)

 カフェインは容易に胎盤を通過し、胎児に影響を与えます。このたび、スウェーデンから妊娠初期のカフェイン摂取および喫煙と流産の関係を調査した研究が発表されました。(The New England Journal of Medicine, December 21, 2000)


 妊娠第6週から12週に流産をした妊婦さん562人と、953人の正常分娩に至った妊婦さんを比較した研究です。喫煙およびカフェイン摂取はいずれも妊娠初期(第6から12週)の流産を増加させました。特に非喫煙者では、カフェイン摂取量の増加とともに流産が増加しました。たとえば、1日100から299mgのカフェインを摂取した妊婦さんは、それ以下のカフェインしか摂取しなかった妊婦さんに比し、流産が1.3倍に、300から499mgのカフェインを摂取した妊婦さんは1.4倍に、500mg以上のカフェインを摂取した妊婦さんは2.2倍に増加していました。喫煙者では喫煙自体の悪影響が強いためか、カフェイン摂取は流産に対して明らかな影響を示しませんでした。


 この研究は、妊娠中のつわりなどの影響や胎児の染色体異常の影響を除外して行われたもので、比較的純粋にカフェインや喫煙が流産そのものを増加させることを示したものです。1年の、いや1世紀の初頭に当たり、喫煙しておられる方に、是非禁煙の決意をお願いします。

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