血圧やや高めの心配 2001年12月)

 

血圧は高ければ高いほど、心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患になりやすいことが知られています。現在では、医療機関で測定した血圧値は、120/80mmHg未満が理想的、130/85未満が正常、130〜139/85〜89が正常高値、140/90以上が高血圧とされています(最大、最小の片方でも高い方に入れば、高い方の診断となります)。このたび、高血圧の範囲に入らなくても、血圧が高ければ高いほど、心筋梗塞や狭心症になりやすいという結果が報告されました。(New England Journal of Medicine 2001/11/1)

 

米国のマサチューセッツ州の住民で、登録時に血圧が139/89以下で、降圧薬を服用していない約7000人を12年間追跡調査した結果です。登録時、4分の1が正常高値、3分の1が正常、残りが理想的な血圧を示していました。追跡期間中、理想血圧の男性は1005人中55人が、正常高値血圧の男性は903人中108人が心血管疾患を発病しました。同様に理想血圧の女性は1875人中26人が、正常高値血圧の女性は891人中72人が心血管疾患を発病しました。登録時35〜64歳であった正常高値血圧の男性は10年間で8%、女性は4%の人が心血管疾患を発病しました。登録時65歳以上であった男性では25%、女性では18%が心血管疾患を発病しました。これを理想血圧の人と比べると、正常高値血圧の男性は1.6倍、女性は2.5倍心血管疾患発病の危険性が高いことになるそうです。

 

このように、今回の研究でも、血圧は低ければ低いほど心臓病になりにくくなることが分かりました。ただ、血圧が130〜139/85〜89の方に薬物を飲んでいただくことで、心臓病の発病やそれによる死亡を防ぐことができるかどうかについては、今後の研究結果を待たなくてはなりません。

 

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